白い部屋

老いてゆくにつれて からだじゅうをおおっていた棘がしゅわしゅわと溶け 少しずつこの星を去る準備をする
憎んだり あすをのろったり そんな日々もゆっくりとほどかれてゆく

だいじな想いも景色も時間も ぜんぶひと粒もこぼさずに抱きしめるには わたしはまだまだ若すぎて
わたしははやく もっともっとおばあちゃんになりたい

ひとはかわいい
生きてるだけで こんなにも
わたしたちはみんな 宇宙の手のひらから散った ひかりの子ども

はだかになったたましいで わたしはどこまで飛べるかな