川に浮かぶ花びらの行く末を見逃すな

結婚できなくてもいいという覚悟で 恋人と一緒にいると決めたけど、それでもやっぱり みちゆく夫婦や幼い子連れの家族とすれ違うたび うらやましくて かなしくて ひとりになると涙があふれてしまう、それはわたしには一生縁のないかたちだから、あきらめた幸せだから

自分で決めた、あたまではわかっている、それでも、どうしてすきなのに家族になれないのだろうと心のどこかでおもってしまう
おなじ家に帰り、一緒にごはんをたべ、朝を迎える そんなあたりまえの穏やかな毎日を彼と繰り返したいだけなのに、どうしてできないのだろう

わたしはただの平凡な女だった
母はわたしに、すきなひとと結婚したいのはあたりまえのことよ、と言った
あたりまえの想い、あたりまえの幸せ

わたしは彼の人生を背負う権利すらない、一生

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きみにみとれているうちに
すっかり夜はおちてきて
すっかり紅茶はさめてしまう
くすんだ海に落ちた月は
うすっぺらい昨日を綴じてゆくんだ

みつめあう瞳にぼくが揺れる
いつだってぼくの中でわらう
きみの会いにいったよ

金色の時間に ぼくら 自由になれた
かなしいことは
ぜんぶ春のせいにして
夜の魔法がとけるまで

みつめあう瞳にぼくが揺れてた
いつだってぼくの中でわらう
きみに会いたかった

きみにみとれているうちに
すっかり季節は揺らめいて
すっかり紅茶はさめてしまう
よごれた海に落ちた月は
たよりない今日を綴じてゆくんだ