感情をうらぎることができるのは感情だけ

ことしもいちねんのいちばん最後に読みたかったのは倫さんの『本当は記号になってしまいたい』で、ぼろぼろの頁をめくりながら、何年たってもこの本をこえる本はないなとおもう、なきながらおもう
ぴかぴかのくびわのような想い出がいくつもいくつもできてしまった、おもいだしたらないてしまうし、もうじゅうぶんだとおもった、今まで生きてきた中でいちばんしあわせな3ヶ月だった もうじゅうぶんだ、だれのことも不幸になんてしたくない
あたしのなかにすむ毛むくじゃらのけもの
血にまみれた白いふわふわのけものをあたしの心臓から取りだし さしだすことが
この先あたしにもできるのだろうか
今すぐ海をみたい、あたしは今すぐ懐かしい海にかえらなきゃなんない