まるで冬の宮のように

例えばあたしはあたしの内蔵をつつむ柔らかな皮膚を裂いてぬいぐるみをつくろうとする、それはとても原始的な方法で
玉留めのような弱々しく頼りない愛を泣きながら自分の中にさがそうとしていた
いつからあたしは指先を刺す冬の夜風にかつて愛したひとの気配を見つけることをやめたのだろうか
こころが少し先のじかんに咲く緩やかな水に静かに削られてゆく