夏夜のマジック

冬なのに心は夏夜のままで、魔法もつかえずに裸のまま部屋でぼんやりと記憶をたどる
帰省のための荷づくりも終わらず、旅にふさわしい音楽と詩集をみつくろっては重い手を動かす、うさぎのごはんも詰める
効いているのか効いていないのかわからない気休め程度の錠剤
東京に帰ってきたら、いちばんに海に行きたい
海に行って、浜辺でガラスを拾って指輪をつくり身につけたい
青や緑の涙で歪な指を頼りなく守りたい