ひびわれ

すきなひとの眠る姿を見るのがこわい、と彼女がよく言っていたのを憶えている
まるでしんでしまったようで、ひとりまっくらやみに取り残されたようなきもちになる と

からだはたましいをいれるための器なのに、その消滅をひとはこんなにもおそれている

この星ではこのやわらかい乗り物でしか行けない場所ばかり
たましいだけではわたし どこにも行けなかった