愛の手

5年ぶりくらいに煙草に火をつけて、ぜんぜんおいしくないけど燃えるひかりはすごくきれいだった

手で触れられる火があったならどんなにすてきだろう
真冬のコンクリートのような温度の火があったなら、かならず指輪にする
そしていつも人指し指にはめて ちらちらと灯る火の中にとどめておきたい感情をとじこめて冷たい標本にして葬りたい