薔薇のケーキ

しごとを終え 外に出た午前3時
雨に濡れた冷めた夜
深いインクをのみこんだような空
傘をささずに
オーバーのポケットに手をいれて歩く

からだごと感情ごと雨に溶けてしまえたら
どんなに楽だろう
あの頃祈るように聴いていた
だいすきだったはずの歌を聴いても
少しも泣けなくなってしまった