かすり傷

すきだった男のひととの破綻が完全に確定した夏に髪を脱色して金色に染めたこと、万が一街ですれ違ってもわたしだと彼に気づかれないようにすること、これがそのときのわたしにできる精一杯の復讐だったなんてほんとうに小さすぎてばかみたいだけど、わたしはほんとうに必死だったんだ 彼とのことはもうずっとむかしのことなのに、わたしは今でも月を見るたび彼を思い出してしまう 下を向いて歩く