青く染まった指先で

透明を着飾る

夢のおわり

青く染めた手のひらで
ほんとうの場所へ導いてよ

.

体調不良の原因、過度なストレスだと言われたけど 自分やお薬のちからだけでは取り除けない根本的などうしようも解決できない部分は一体どうしたらいいのだろう

雨風に憂い漂い凪ぐ君が好きだった

恋人と一緒にいるとき このひとは一体わたしのどこがすきなのだろうと疑問におもう、かなしくなる
きちんと 彼のすきなわたしでいられているのだろうか
かなしみに気づいた頃からずっとかなしかった
ひとはひとりで生まれ ひとりで死ぬ

太陽

ふたりでいることに慣れてしまうと ひとりの時間がほんとうに心細くて
こんなに不安で ひとりがこわくて、わたしは今までどうやっていきてきたんだろう
あと2年後くらいには 何かが変わっているといい
一緒にわらって生きていきたい

わからない君の言葉 包み紙から取り出している

散歩に出ると
もう紫陽花は散りかけていた
果たされない約束ばかり積もっていく
愛を忘れてしまいそうになる
大切なことを思い出したい
涙があふれてしまう

愛のしるし

ひとを待つじかん たいせつな本を読む

この本をひらくとき いつも
自分のなかにうずくまって泣いている
ちいさなわたしが見える

きもちはどんどん塞がっていく

深呼吸をして
窓をあける

わけもないのに輝く

降りだした雨に こころを澄ませる
この身体はただのうつわでしかなくて わたしというかたちに乗ってゆける場所には かぎりがあるけれど、
たましいは うたうようにどこまでもゆけること そう信じたいこと
それをいつも忘れそうになる
水の音に寄りそうたび 思い出さなきゃとおもう

悲しい話は消えないけど

3週連続で恋人の前で泣かなかった

好きだと言えずにごまかして笑う

無印良品の黒いリネンワンピースを買おうか迷い、買わずに店を出る
帰り道にすれ違ったしらないひとの香りから陽が沈んだあとの海辺が思い出されて泣きたくなった
最近またさよならポニーテールばかり聴いている

君は当たり前のように

考えれば考えるほど わたしは想われていないとしかおもえなくなる
愛するひとの言葉が信じられないほどかなしいことはない

勘違いなんだまるで

わたしが一年以上ひとりでくるしんで泣いていることは 彼が今の彼の暮らしを保つことに対して完全に負けていて、勝ち負けではないとわかっているけれどかなしくて、むなしくて、彼にとってわたしの存在はそのくらいの大きさなのだとどうしても考えてしまう
余計な不安につぶされないようにしたいのに 目を背けた現実は ずっとわたしを追ってくる、逃げてしまいたい、しあわせなことだけに目を向けていたい、自分をまもるために感情を鈍くしなければならない

甘すぎるナンバーは要らない

ひとりになった部屋で泣く
すきであればあるほど 何を信じたらいいかわからなくなる
わたしはこのまま 来るかわからない未来を待っていていいのだろうか
もっと軽やかに愛せればよかった
くるしい

今でも変わらない答えを求めているばかり

元気がないと 目を背けていたさまざまな不安やかなしみが 潮のひいた砂浜のように 明らかに照らされてしまうので できるかぎり元気でいたい
おいしくないカフェモカを飲む
どうしたら大人になれるのだろう

君のにおいも風のざわめきも横顔も忘れてしまう

どうしてこんなにかなしいんだろうと思いながら料理をしてその日いちにちのかなしみを清算して 清算してもしきれなくて また朝がきて 雪みたいに感情が積もってゆく
からだの中で雨に濡れた子犬がずっとこちらを見ている

五月の虹

かなしいときも うれしいときも 手を差し出せる距離にいるのが自分でありたくて、でもそれができない現実がくるしい
どうして一緒にいられないんだろう、一緒に生きていくことを、わたしの命を愛するひとに毎日差し出していくことを、ゆるしてほしくて、認めてほしくて
わたしは彼と結婚したい、明日も明後日も縷々と日々を結んでゆきたい、それはわがままな願いなのだろうか

今朝の夢の残り抱いて

一緒に出掛けたときの写真を見ていると そのときのことが鮮やかに思い出されてぼろぼろ泣いてしまう
まだ彼は生きてここにいるのに、それなのにどうしてこんなに胸が苦しくなってしまうのだろう
彼のことがすきだ、どこへもいかないでほしい、ずっとずっと隣で笑っていてほしい

明日君がいなきゃ困る

ひとりスピッツをくちずさむ
大切なひとを大切にしたい
明日はちゃんと笑いたい
泣いた瞼が熱い

.......

彼が笑ってくれるならなんだってしたい

......

恋人のことがすきで、すきで、気がおかしくなりそうなくらいだいすきで、それなのにちっとも大切にできないじぶんがくやしくて、情けなくて、涙は止まらなくて
想うだけで泣けてしまう 一緒に笑っていたい 一緒に生きていきたい

....

海が見たい

...

孤独がつのる

.

つよい健康な明るい精神をもつひとが 彼にはふさわしくて
わたしじゃない他の誰かと一緒にいるべきなのではないか
どうしてわたしは普通の人間になれないのだろう
明るくいつも元気でいたいのにどうしてできないのだろう
これからも一緒にいるにはどうしたらいいのだろう
泣いてばかりいる
生きるのがつらい
わたしばかりが片想いしている

なぞる足あと

起きたら昼だった
渋谷まで行かなければいけない
いま目にうつるものだけを抱きしめてなければならない
元気がない

涙ごと

彼の過去のかけらに触れるたび 別の遠い星から何億光年もかけて片想いしてるような気持ちになる
4号室に雨が降る

わたしにできること
きちんと薬をのみ、うれしくなるちいさなひかりをあつめていくこと
このふたつをさぼらずにしっかりと行うこと
白い闇から抜け出せない 抜け出したい

昼間 ぼうっとしながら中央線に乗り スピッツのエトランゼを聴きながら晴れ空を眺めていたらぼろぼろ泣けて、わたしはほんとうにあたまがおかしい  スピッツがすばらしいことだけがわかる  ただの空洞になってしまった  白い闇に眠る

薬に頼らないと正常になれなくて、でもそもそも正常とはなんだろう
わたしはあたまがおかしいから普通ができない
明るいことだけ話したい
つよくなりたい

泣きたいのに涙は出なかった
がんばるちからがほしい
だれの邪魔にもなりたくない

川に浮かぶ花びらの行く末を見逃すな

結婚できなくてもいいという覚悟で 恋人と一緒にいると決めたけど、それでもやっぱり みちゆく夫婦や幼い子連れの家族とすれ違うたび うらやましくて かなしくて ひとりになると涙があふれてしまう、それはわたしには一生縁のないかたちだから、あきらめた幸せだから

自分で決めた、あたまではわかっている、それでも、どうしてすきなのに家族になれないのだろうと心のどこかでおもってしまう
おなじ家に帰り、一緒にごはんをたべ、朝を迎える そんなあたりまえの穏やかな毎日を彼と繰り返したいだけなのに、どうしてできないのだろう

わたしはただの平凡な女だった
母はわたしに、すきなひとと結婚したいのはあたりまえのことよ、と言った
あたりまえの想い、あたりまえの幸せ

わたしは彼の人生を背負う権利すらない、一生

l t

きみにみとれているうちに
すっかり夜はおちてきて
すっかり紅茶はさめてしまう
くすんだ海に落ちた月は
うすっぺらい昨日を綴じてゆくんだ

みつめあう瞳にぼくが揺れる
いつだってぼくの中でわらう
きみの会いにいったよ

金色の時間に ぼくら 自由になれた
かなしいことは
ぜんぶ春のせいにして
夜の魔法がとけるまで

みつめあう瞳にぼくが揺れてた
いつだってぼくの中でわらう
きみに会いたかった

きみにみとれているうちに
すっかり季節は揺らめいて
すっかり紅茶はさめてしまう
よごれた海に落ちた月は
たよりない今日を綴じてゆくんだ

lemon tea

彼がしんでしまって うさぎもしんでしまったら わたしはほんとうに明日や明後日やその先の何万回の夜をどうやって越えたらいいのだろう
尊いいのちたちに生きてほしい  ずっとずっとすこやかに笑っていてほしい

足止め

やらなければいけないことがあるのはとてもいいこと
家事をし 仕事へゆき うさぎのお世話をし 個展の準備をする、まいにちをくりかえす
忙しいととてもすくわれる、だけれどふとした隙間のじかんにとてつもなくかなしくなって ほろほろとひとり泣けてしまう お花のかたちのお干菓子みたいに一瞬のうちに溶けてかたちをなくしてそのまま消えてしまうような気がする

ぬいぐるみをだきしめ かなしみが通りすぎるのをまつとき、決まってすきなひとに会いたくなる
すきなひとに会いたくて、会いたくて、胸がはりさけそうだ
ふたりでいるしあわせを知ってしまってから わたしはどんどん弱くなってしまう

うつくしい晴れた海をみたい
初夏の海がいい、永遠みたいにおもえてしまうような、澄みきった青に抱きとめられたい

プリズム

珈琲を淹れると あなたに会いたくなる
あなたのすきな花を見つけるたび あなたに会いたくなる
わたしはひとり あたためた部屋でぬいぐるみを膝にのせ
アイスクリームを食べながらゆらゆら揺れる
むかし通りすぎたうたを ぽつり ぽつりとくちずさむ

だれかをうんと愛しても うんと愛されても ひとは孤独だとおもう
あなたという島にたどりつきたくて けんめいにもがくけど
満月と三日月が隣り合わせに揺れる祈りには勝てなかった

0から100までのゆるやかな坂をのぼり ゆっくりと降りてゆく季節
1が0にもどるまでの距離をのばしたくて 逃げ出そうとした
舞い踊る枯れはてた海のかけらを飲み込むような嘘を 指にはめて

逃げるたびに近づいて 触れるたびに遠くなる
パステルカラーに裂かれた傷口に反射するひかり
滲んでゆく記憶の中
プリズムに溺れていたい

ひかりのかけら

あなたのうしろから みずいろの風が吹いてきて
原色にぬりつぶした ちいさな風ぐるまが
せーの、で まわりだす

まっしろな ふたつの星が落とした ひかりの石を
とじたまぶたで見つめながら
あなたのかけらに わたしの影をさがす

くりかえし ひろげられる星は
どこまでも透明な方法で 一輪の花を染め
ひかりの闇のなかにある ほんとうのひかりに触れようとした
産み落とされる いくつもの宝石を
あつめていた真昼

みずいろのせかいにこぼれる花に 澄んだ実をかざし
あざやかに彩られたからだで
あすの向こうへ くるくると踊りはじめる

終わらないうたをうたう

たとえば壊してしまいたいものを水晶に閉じこめて叩き割ったとしたら、それは消滅するのだろうか
なくなってほしいもの、消えてほしいもの、存在してほしくないもの
きれいに消し去ることができるのだろうか、最初からなかったみたいに

壊したいのは、感情
誰かが誰かをいとおしくおもった過去、景色、積み重ねられた日々

今がすべてなのに、その世界中にたったひとつしかない宝石がうらやましい
触れることができない  一生触れられない

夢のあと

ひみつの地下室にある 満月のとびらをこじあけ 階段をのぼると
せかいには うすももの夜が流れ出す

冷えた右手につかんでいた深い海の風船は はなたれて
かわりに 青い宝石に似たくだものが 白い手のひらを熱く やわらかに染めていた

わたしというからだの中にいる わたしのことを
とうめいなまばたきの途中に 思い出そうとする

壊れた蛇口からこぼれるしずくのように
夜のすきまに ぱらぱらと剥がれおちる記憶は
流星のしっぽのかたちをして 一瞬のつよいひかりを送り 降りそそぎ 消えた

あす 朝がきて せかいが春のいろに目をさまし
ふたつの星が 朝つゆのひかりにいっせいにうたいはじめたら
わたしは きっと この星の住人になろう

このみちをゆこうよ

やめたと偽って飲んだり飲まなかったりしていた薬を一日二回きちんと飲むように心がけたら感情の波の揺らぎが落ちついたようにおもえて少しだけ楽なった
はやく正常な状態になりたい
空が色水みたいなぼやけた青で少し安心する
陽があたたかい

もう一度きらきらのほうへ登っていく

一緒にいたいとお互いがおもっているのだからそうできないはずはきっとなくて、一緒に生きてゆくためだったらなんだって差し出していきたい
ゆるくやわらかに じかんの流れにたしかに削られていく中で、祈るように生き、もしかしたら生きることじたいが祈りなのかもしれない
いとおしくて 尊くて 何万年もむかしから送られてきた だれもしらないやわらかな宝石みたいなひと
そばで見ていられることがこんなにもうれしい
生きることを祈りにしてくれたひとを わたしはぜったいにまもる  それがわたしの愛のかたちだとおもう

......

自分の家へ帰っていく彼の後ろ姿が夜に溶けていくようすを眺めながら胸が張り裂けそうになっていることを誰も知ることはないし、きっと誰にも話すことはないとおもう  何回経験しても慣れることができない  取り返しのつかないくらいもうこのひとをすきになってしまっていて、ひとりでこんなところまで来てしまった  すきで、すきで、胸がくるしくて息ができない  ひとをすきになることがこわい  愛を知ることがこわい

.....

すきなひとを幸せにするのがわたしの使命だし、それが彼に対する最高の恩返しだとおもう
彼がげんきでいられるようにするために生きたい
すきなひとがげんきでいてくれることがわたしのいちばんの幸せ  それ以外何もいらない

....

夜中三度起き、薬を飲み、眠り、起き、洗濯機をまわし、眠り、起きる
いま確実に人生でいちばん幸せな時期で、こんなにも幸せだったことなんかなくて、だからこれでいいのだとおもう
これ以上の幸せを望むなんてしてはいけない  今がすべて
ひとを愛するとか 憎むとか そういうねじれた灰色の感情をすべて切り落として 何にも不安のない澄んだ心でおいしいごはんをにこにこ食べたい
じぶんの中に神さまをさがす

...

この暮らしがずっと続くとしたらほんとうに気が違って心が壊れてしまう  あとちょっと、あとちょっとと泣きながら言い聞かせて見えない真っ暗やみの中にひかりの点をさがそうとするけど、たとえばもしそれでも助からなかったとしたらわたしはほんとうに壊れてしまう気がする
すきなひとと幸せになりたいと願う  でもこれ以上の幸せを望んでどうするのだろう

幸せはじぶんでつくる  ひとのちからではなくわたしは自力で幸せになる
いつかきっとちゃんと笑える  ぜんぶ大丈夫

..

いつかぜんぶ大丈夫になるって信じて、でもほんとうにそんな未来は訪れるのだろうかと不安になる  でも信じるしかなくて、信じるしか他に手段はなくて、わたしは大丈夫だよと神さまに愛されたかった
ほんとうにわたしたちのことがぜんぶ大丈夫になる日なんて来るのだろうか  ひかりの中で死にたい  今ある最大限の幸せの中で死んでしまいたい

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わたしが泣いたところでどうにもならない状況はどうしたってどうにもならなくて、彼がわたしじゃない別のひとの家へ帰ることも、そのひとが彼の作ったごはんを食べることも、うらやましくてかなしくてどうしようもなくて、しかたないことだと頭ではわかっているけどやっぱりかなしくて、泣いてはいけないとおもいつつ涙は止まらなくて
わたしはわたしのできることを無心でやる  それしかない
わかっているけど、わかっているのに、別れ際いつも心が粉々になってしまいそうだ
軽やかにひとをすきになりたい  わかっているのに、どうしてできないのだろう

名前を訊けば君は"かなしみ"って答える

こんなにも愛されているのにどうして片想いしているみたいに胸が痛むのだろう
ひとりでいる方がずっとずっと楽なのに もう決してひとりに戻ることはできない
それでいて一生幸せに慣れるなんてできないような気がする

ひとりになった暗闇の部屋で無償の愛について考える
愛するひとをたいせつにしたい