コミュニケーション

こんなにすきなのに どうして離ればなれで夜を越え 朝を迎えなければならないのだろう

嵐のあと

桃をもらい、左手に持ちながら夜を歩いた

ソルダム

仕事のあとに吉祥寺へ出てビーズと下着とプラムを買った
何を信じていいか、何に信じられるのか、なんにもわからない
ただ帰り道に線路沿いの坂の上から見下ろす街灯りはひたすらにまっすぐだった

ひかりを見ると胸がいっぱいになって涙があふれてしまう
あたしは街灯のひかりを目指しその熱で死んでしまう蛾とおなじなんだとおもう

部屋のドアの前で鍵をさぐる
恋人と買いものしたときのスーパーのレシートが出てくる
愛がわからない

72

かなしかったことを自分で消化できるようにならなければいけない
でもやっぱりかなしくて、どうしようもなくて、このまま少しずつずれがおおきくなって、気づいたら見えなくなってしまうのかな
ひとりになった部屋でしずかに目を閉じる
愛するひとが消えた部屋はただのからっぽの箱でしかなくて、いつも胸がえぐられるようにくるしいのに、その痛みとおなじくらい、ひとりでいることに安心する
薄っぺらいふとんを抱きしめる
4号室にしずかに雨が降る