72

かなしかったことを自分で消化できるようにならなければいけない
でもやっぱりかなしくて、どうしようもなくて、このまま少しずつずれがおおきくなって、気づいたら見えなくなってしまうのかな
ひとりになった部屋でしずかに目を閉じる
愛するひとが消えた部屋はただのからっぽの箱でしかなくて、いつも胸がえぐられるようにくるしいのに、その痛みとおなじくらい、ひとりでいることに安心する
薄っぺらいふとんを抱きしめる
4号室にしずかに雨が降る