赤んぼう連れでいっぱいの定食屋で鮭ごはんを食べた あちこちで泣きわめくちいさなにんげんたちの声、窓から差し込むあたたかな光、今までわたしの身に起きたすべてがまぼろしのようで、ここはどこで自分は何者だっただろうかと静かに問う
目の前に横たわる鮮やかな橙の魚の肉 死んでいるのにあたたかいなんて、うそみたいだ 放浪者でありたいのに迷子にはなりたくないわたしはほんとうに救いようがなかった わたしはわたしによってどんどんだめになってゆく