はな唄をうたった

ひとびとが寝静まった真夜中の道を照らす街灯は だれのためのものなのかな
午前3時 はだしのまま出たマンションの屋上から街中に散らばったちいさな白いひかりを見つめた
あるべき感情とあってはならない感情のすきまに腰をおろしてスカートの裾のしわばかりを気にしていた
かたく結んだはずの糸がほどけてしまうとき いつも雨のはじまりのにおいがする 

冬のくだもの

ほんとうのなまえなんてひとつなんだからわたしは何もこわがることなんかなくて、月がきれいとか あの子がわらってくれるのがうれしいとか それだけでいいじゃないか
かじかんだ指先の温度でゆっくりと溶けるチョコレート わたしのなまえを呼んで

13月のパレード

キャラメルオレをマグで飲みながら、そっとペンを置いて静かに流れる音楽をなぞってみる
生きるなんてほんとうはそんなに重要じゃなくて、ただあたしのする何かを通してあたしのすきなだれかのやわらかい部分に触れたい
儚くてやわらかいさみしさがすき それは決まっていつも溶けそうに淡いピンク色

chill

ちいさなたいせつなことをひとつ 終わらせてきて、アパートの前で星を見あげてる
終わったことは過去でしかないし 戻りたくてもそれはぜったいに叶わない
あたしは今目の前にいるひとたちの声とか 笑顔とか 何かを愛おしくおもうきもちとか そういうものを握りしめたい
大丈夫 せかいは美しい

醒めない

ぜんぶぜんぶ夢だったんじゃないかって、そんな気がするんだ
どこで間違ったかなんていくら考えてもあの頃に戻ることはできなくて、今と明日のことをおもわなきゃいけない

明日あいたいひとについて考えてる
今あいたいひとと 明日あいたいひとがちがうなんて、ほんとうに自分勝手だけど、あたしには今あいにいきたいひとがいて、そのひとにはどうしたってもうあえないんだ

かわいい毛糸のカーディガンを買って、これからの季節がたのしみだよ
未来に楽しみなことを増やすことで、ちゃんと健やかに笑いたい
つぎの嵐が去ったら、季節がまためくられんだなあ

砂のように

あのひとと最後に会ったカフェが先月いっぱいで閉店してしまった
こうしてひとつひとつ記憶があやふやになって一緒にいた時間もきっとすぐにぜんぶ幻みたいになってしまうのだとおもう
思い出のものはぜんぶ海にすててしまった

浅い眠り

愛されることに慣れてしまいたいな