月の見えない夜空とか 指先にからむとがった空気とか そういう届かない祈りにひきさかれながら 背中から抱きすくめられるたび わたしは自分の星へ帰りたい この星を旅立つまでに どれくらいの愛を知り どのくらいの愛をさしだせるのだろう 氷漬けの都会の夜を裸足で歩きながら わたしの中にすむ毛むくじゃらのぬいぐるみをさがした つぎはぎだらけのぼろぼろの愛が ひやひやと月あかりを反射する 知らない星の 知らない愛の言葉が流れる