わたしというなにもない部屋の床に散らばった無数の鮮やかなビーズをひろいあつめ 薄い真白なハンカチで ひと粒 ひと粒 ぬぐってゆく いくらみがいてもビーズが宝石に変わることはない、だけれどつくりものにしか生めない儚いひかりがあるのだ、きっとたしかに 大人になれない子ども 子どもにもどれない大人 ろうそくの灯りの青いゆらめきを見つめるようなやわらかいさみしさを この星を離れるまで何度も何度も腕にきざんでいたい