ただようもの

身のまわりに触れられる形あるものものを増やすことによってこのせかいと自分をつなぎとめられているようにおもう
そうしないとわたしのたましいとからだは別々の場所へぷかぷか進んでいってしまいそうだ
かわいくてうつくしい物体ががんじょうなやわらかい枷になってくれる わたしは安心して夜をあそぼう

ゆらゆら

手を伸ばしてもずうっと遠くて、はやくわたしは夜に追いつきたい

ブラックホール

憎んだりのろったりちいさく点滅し続ける狂気 ヘドロみたいに腐敗した感情が存在しなければ、いとおしいやきれいやだいすきを理解することがないままわたしは早々に一生を終えたのだろうな

悪に満たされた心臓をとおしてきみが見える
きみはうつくしい

一直線

道ばたで天使にあってもわたしにはもうわからないし、クリームソーダの泡に神さまを見つけることももうできないかもしれないけど、むかし海で拾ったガラスを宝石みたいにおもってたいせつに瓶にしまったときのきもちはずっと忘れてない

真夜中の手紙

深夜2時まで開いている古いケーキ屋があって、その灯りを見たくてひとつ手前の駅で降りること
闇がここにあることの希望 ひかりがひかりの役割を果たすために与えられたいちめんの夜が欲しくてしかたなかった

暗い部屋で書きなぐったきたない手紙がせめて真夜中の海面に反射した月くらいの明るさできみの頬に届いてほしい

月の見える部屋

愛や感情には鮮度も賞味期限もあることをこの歳になってやっと知った 放り出されたこころはただれて腐ってゆく
帰るべき家とやわらかなベッドによって1日を正しく精算する

こころのすきま

わたしはほんとうに冷たいにんげんなのに、すきなひとたちはわたしのこと優しいっていう だけどそれはたぶんそのひとたちの受け留める能力がすごいってゆうのと、わたしのそのひとたちへ向かう想いがあふれてる結果なのだとおもう お互いをすきだったら少しでも何かされたらないちゃうくらいうれしい