珈琲豆を買いにいった喫茶店でお茶をし、ながいこと読み進められずにいた小説を読了して顔をあげると向こう岸のせかいはすっかり群青いろにどろりとくるまれていた だれにもきこえないほどのおおきさで だれにも伝わらないことばを唄うようにくちびるに留める ショートケーキとダークチェリーと珈琲 まぶたを結んでも赤いひかりがにじむ きっとずっとほんとうの絶望なんて知れない