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真珠でできたちいさな川のようなひとを想う

ひかりの穴

ほっそりと白い指もすんなりと伸びる美しい背骨も手に入らないまま大人になってしまったけど 今でもあの頃とかわらず 道で天使とすれちがったらすぐにわかるんだよ

恋とか愛とかデートとかについて考えているとほんとうにもうぜんぶどうでもよくなってしまって、いずれ離れるであろうひとに傷ついたりくるしんだりする頑丈な精神がわたしにもうないなとおもいながらマフラーに顔を埋めて歩く古本屋からの帰りみち

birthday

たいせつなひとに贈るじぶんがいちばんにすきな本は 何よりもうつくしい手紙だとおもう

切れはし

だいじょうぶ と すきだよ を繰り返しとなえてほしいという願望
なんてちっぽけで くだらないのだろう
そういうすかすかのがらくたみたいな偽物の希望を
薄汚れたきもちで まるめてゴミ箱にすてたい

それでも 愛されたいと泣いて
頑丈な 金属みたいな愛情にあたまをなでられたかった
生きていてもいいと ぼくをゆるしてほしい

手紙

短歌で愛をつづることは もしかしたらこの星のにんげんに最もふさわしい自然な告白の手段なのかもしれない

かすり傷

すきだった男のひととの破綻が完全に確定した夏に髪を脱色して金色に染めたこと、万が一街ですれ違ってもわたしだと彼に気づかれないようにすること、これがそのときのわたしにできる精一杯の復讐だったなんてほんとうに小さすぎてばかみたいだけど、わたしはほんとうに必死だったんだ 彼とのことはもうずっとむかしのことなのに、わたしは今でも月を見るたび彼を思い出してしまう 下を向いて歩く