真珠でできたちいさな川のようなひとを想う
冬
恋とか愛とかデートとかについて考えているとほんとうにもうぜんぶどうでもよくなってしまって、いずれ離れるであろうひとに傷ついたりくるしんだりする頑丈な精神がわたしにもうないなとおもいながらマフラーに顔を埋めて歩く古本屋からの帰りみち
切れはし
だいじょうぶ と すきだよ を繰り返しとなえてほしいという願望
なんてちっぽけで くだらないのだろう
そういうすかすかのがらくたみたいな偽物の希望を
薄汚れたきもちで まるめてゴミ箱にすてたい
それでも 愛されたいと泣いて
頑丈な 金属みたいな愛情にあたまをなでられたかった
生きていてもいいと ぼくをゆるしてほしい
かすり傷
すきだった男のひととの破綻が完全に確定した夏に髪を脱色して金色に染めたこと、万が一街ですれ違ってもわたしだと彼に気づかれないようにすること、これがそのときのわたしにできる精一杯の復讐だったなんてほんとうに小さすぎてばかみたいだけど、わたしはほんとうに必死だったんだ 彼とのことはもうずっとむかしのことなのに、わたしは今でも月を見るたび彼を思い出してしまう 下を向いて歩く
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